長者番付ふたたび
日経新聞の報道などによりますと、3月末決算の上場企業が提出した有価証券報告書を調査したところ、1億円以上の報酬を受け取った役員は296人に上ったそうです。
昨年より、上場企業の情報公開の一環から、1億円以上の報酬をもらっている役員の名前、および受取額の公表が義務化されています。
有価証券報告書はEDINETを使えば誰でも知りたい上場会社のものを確認できます。
もちろん、報道各社が取りまとめて一覧にしてくれるととても助かりますけどね。
もちろん、役員報酬が公開されることにより、あの会社のあの社長はいっぱいもらってるんだな~、という野次馬的な情報収集欲が満たされるのですが、必ずしも実態を反映していない可能性があるのも注意すべきです。
注意すべき点は、「役員が株主を兼ねている場合」です。
役員報酬のほか、配当が支払われる場合は、配当所得を上乗せするべきです。
具体例です。
ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井正さんは、昨年11月に公表された有価証券報告書を確認すると、役員報酬は3億円ですけど、それ以外に配当所得230円×2829万7000株=約65億円を受け取ってるはずです。
ソフトバンクの孫正義さんは、今年6月に公表された有価証券報告書によれば、役員報酬は1億800万円ですけど、それ以外に配当所得を5円×2億3161万4000株=約11億5000万円を受け取っているはずです。
・・・東日本災害時の寄付額と比べるとちょっとアンバランスな気がしますけど、深く追求するのはよしておきましょう。
ともあれ、有価証券報告書などを調査すれば、世の中の有名な社長さんの収入が、だいたい把握できてしまうわけです。
そういえば昔、「長者番付」というのがありました。
確定申告ベースで、納税額の多い人が報道されていましたが、これはたしか、個人のプライバシー保護の観点から中止されたものと記憶しています。
一方では、企業の経営状態を監視する立場から、今回のように役員の報酬などは公開すべき、という方向に向かってます。
結局のところ、多くの人にとって、社長さんのお給料はおいしい肴のネタなのでしょうね。
プロスポーツ選手の年俸も、賞金制のものはきっちりわかりますし、スポンサーとの契約金もおおむね漏れてきます。
歌手、厳密にはソングライターの印税は、JASRACあたりのデータや、オリコンのアーティスト別売上代金から推測できます。
以上のような情報を積み上げていくと、実は、長者番付というのはいつでも復活できるのではないかな? という気がしています。
それが公益にかなうと信じた、どなたかが作ってくれるかもしれませんね。
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