FPフェア2013雑感:細野氏のセッションは感動ものでした
10月5日~6日はFPフェアが行われました。
今年の会場は東京国際フォーラムでした。首都圏での開催は、2010年の大宮以来、3年ぶりです。本来、去年が首都圏開催の予定でしたが、諸般の事情によりずれました。
名古屋、京都、仙台と、遠方で行われる場合は宿泊込みでの参加でした。いわば出張ですが、旅気分で参加していました。今回、ほぼ地元の私は、片道1時間ほどの通勤感覚になり、少々つまらないと感じてしまいます。
ただ、研修そのものはとても充実したものでした。
私が参加した講演、エディトリアルセッションは、以下の通りです。
●1日目
基調講演:日本経済の展望と課題 竹中平蔵氏
エディトリアルセッション:メディアから期待されるFP 大口克人氏
エディトリアルセッション:数字で理解するこれからの年金制度 細野真宏氏
●2日目
特別講演:プロフェッショナルの思考と行動様式 波頭 亮氏
エディトリアルセッション:最近の税制改正と社会保障・税の一体改革 八ツ井久嘉氏
エディトリアルセッション:FP会社経営のコツ 藤川 太氏
このうち、一般のクライアント向けに役立ちそうな内容は、メールマガジンで紹介することにします。
ただ、細野氏の研修に関しては、かなり目からウロコに感じたので、当ブログでも詳しめに紹介させていただきます。
細野真宏氏は、数学の予備校教師として頭角を現し、その後、経済をわかりやすく解説する本がベストセラーを記録するなどで有名な方です。私自身も、近刊本はご無沙汰していますが、FPの勉強を始めた10年ほど前、「経済のニュースがよくわかる本」シリーズにはだいぶお世話になりました。
細野氏いわく、国民年金の未納が増えて公的年金が将来破たんするとか、年金保険料を支払うのは損である、といった、一般に語られている年金バッシングは、天動説が地動説に変わってしまうくらいの誤解であるとのことです。
もちろん、いつまでも年金支給開始を65歳で固定し、現在と同じ水準の給付を続けているならば、本当に破綻するかもしれません。まず、この前提が間違ってます。破たんしないよう、給付開始年齢は調整されるでしょうし、現役世代が納める保険料も上がりますし、将来受け取る年金額もインフレと比較して少しずつ目減りされていくでしょう。
では、今の若者が保険料を納めるのは本当に無駄なのでしょうか?
実は、公的年金の給付は、現在も保険料およびその積立金だけではなく、消費税をはじめとする税金からもまかなわれています。一般の人は、通常、消費税などを通じて税を納めています。つまり、年金破たんを怖がりすぎて保険料納付をボイコットすると、将来税金で賄われて帰ってくるはずの年金給付分を放棄することになり、現在納めている消費税の払い損を起こす、というのです。
この視点は、目からウロコが落ちました。細野氏は天才だ、というのは言いすぎでしょうか?
なので、破たんを恐れてわざと未納にしている人は、すぐにでも年金保険料を納めましょう。
国民年金加入者の4割も未納だという統計もありますが、実は、厚生年金を含めた公的年金加入者全体を考えると、未納者はたったの約5%です。はっきり言って納付しないのは仲間外れです。
「本当に収入が少なくて払えないんだ」という人もいると思います。
そんな人でも、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」を活用し、手続きをおこなっておけば、税金で賄われる分の年金給付が受けられるのです。
いろいろ意見もあるのでしょうが、「年金は一生涯受け取れるが、年金のみで生活できるわけではない」点をよく考えて、自分はどうするべきかをよく考えたほうがよさそうです。
最後に、細野氏の近刊本を紹介させていただきます。
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