ゆっくりのんびり「億り人」になる場合の相場観を考えてみました
マネー系の情報Webサイトを見ていると、金融資産1億円以上を蓄える人がたまに特集されています。
Twitterなどを見ていると、「億り人」になりました、という報告をたまに見かけます。
匿名さんのつぶやきなのでどれほど信じてよいのかわかりません。が、アベノミクス以降の比較的好調な相場環境ならば、金融資産額1億円に到達する人が多く出そうです。
一方、年収1000万円を越えるほど稼いでいる人のうち、ほとんど蓄財ができていない人が、一定の割合でいます。おそらく、タワーマンションに住み、高級車に乗り、毎日高級食材の食事を楽しみ、子どもには私立の英才教育を受けさせているのでしょう。自分の年収がしばらく続くと見込んで、蓄財はそのあとでいい、とのんきに構えているのでしょう。
それぞれ、人の人生ですから、どちらの道を進んでもかまいません。私自身は、稼いだ金を残さず使ってしまう人よりも、1億円を越える蓄財を成し遂げた「億り人」のほうに敬意を払い、尊敬したいです。
ところで、1億円もの金融資産を作るにはどうすればいいのでしょうか? たまには電卓をたたいて頭の体操をしてみましょう。
まず単純に、積立貯蓄で作ってみます。
毎月5万円の積立の場合、1億円に到達するのは2000ヶ月、約167年かかります。
以下積立額に応じて箇条書きにします。
毎月10万円の場合 1000ヶ月(約84年)
毎月20万円の場合 500ヶ月(約42年)
毎月30万円の場合 333ヶ月(約28年)
なにやら、とてつもない期間のように見えます。自分が生きているうちに1億円に到達するには、毎月10万円以上の積立が必要です。
にもかかわらず、なぜ、短期で1億円に到達できる人がいるのか? 当然です。その人はしっかりリスクのある金融資産に投資しているからです。
仮に、上記と同じ条件の積立を、期待利回り3%、5%、8%で計算し直してみます。使うのはネットで使える金融電卓です。それぞれ、1億円に到達する年数です。
・期待利回り3%
毎月5万円の場合、717ヶ月(約60年)
毎月10万円の場合 502ヶ月(約42年)
毎月20万円の場合 325ヶ月(約27年)
毎月30万円の場合 243ヶ月(約20年)
・期待利回り5%
毎月5万円の場合、537ヶ月(約45年)
毎月10万円の場合 395ヶ月(約33年)
毎月20万円の場合 271ヶ月(約23年)
毎月30万円の場合 209ヶ月(約18年)
・期待利回り8%
毎月5万円の場合、400ヶ月(約33年)
毎月10万円の場合 306ヶ月(約26年)
毎月20万円の場合 220ヶ月(約18年)
毎月30万円の場合 176ヶ月(約15年)
以上のように、期待利回りが高いほど、そして積立額が多いほど、1億円に到達する期間が短くないます。
インデックス型投資信託や海外投資信託を利用して1億円に到達するためには、このあたりが相場観です。
え、毎月の積立は小額で、しかももっと短期間で1億円貯めたい???
そんな場合は、もっと期待利回りを高くする、信用取引や先物、オプション、FXなどでレバレッジを高くするしかないです。ただ、運に左右される割合が高くなります。そして積立ではなく、短期売買を駆使することになります。
もしくは、ソフトバンクの孫正義社長のマネをしてみましょうか?
誰も知らなかった中国アリババに20億円投資し、それが8兆円の含み益になる。そんな独自な銘柄選択センスを磨く必要もあるのでしょうね。
もしかしたら、日本の小型株のうち、数万円程度で投資できるものの中から、将来大化けする会社が出てくるかもしれません。そんな銘柄を探してみますか?
正直、1億円に到達する方法はなんでもかまいません。それに向けて努力してみる人、投資信託への投資や株式の売買を始めてみる仲間がもっと増えればいいですね。
« テレパシーなんてないんだから欲しいものは伝えるしかない | トップページ | 権利落ち日の株価下落を平静に見ていられる余裕を得る方法 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 履修計画:春期卒業論文本指導申込を済ませました(2021.01.16)
- 年末の歌番組を総括する(2021.01.07)
- 新年のご挨拶・2021年(令和3年)(2021.01.01)
- 波乱の2020年の終盤に日経平均が今世紀高値更新(2020.12.29)
- 2年ごとの恒例,野村総研の富裕層調査が出たところで富裕層の定義について深堀する(2020.12.22)
「FPよもやま話:金融資産運用」カテゴリの記事
- 経済的自由、ファイナンシャルフリーは本当に自由か?(2020.08.20)
- 相場が急落したらアセットアロケーションの基本に立ち返る(2020.03.13)
- 億り人をうらやむのか、具体的な目標にするのか(2019.12.19)
- NISA制度変更案について思うこと(2019.12.07)
- 株主優待は使い切れる程度が吉(2019.06.28)