NISA口座を活用している人が予想以上に少ない件
日本証券業協会がまとめた主要証券10社のNISA(少額投資非課税制度)の利用状況によると、昨年末に約406万あった専用口座のうち、1年間で一度でも株などの購入に使われたのは45.1%でした。http://t.co/8faN6n6syK
— 朝日新聞東京報道編成局(コブク郎) (@asahi_tokyo) 2015, 1月 21
先日のこの報道は考えさせられました。
NISA口座を開設した人のうち、54.9%、すなわち半数以上の人が、NISA口座を通じた株式や金融商品の購入を行っていない、とのことです。
NISA口座の開設では、住民票の提出が必要など、かなり面倒な思いをしたはずです。にもかかわらず、1年間一度も金融商品を購入しないとは。何のためにNISA口座を開いたのか理解に苦しみます。
おそらく、証券会社や銀行の営業マンの勧誘にあまり深く考えずに付き合い、口座だけ開いたという人たちでしょう。利用方法などまった考えていなかったのでしょう。
私としてはまずは、NISA口座最大のメリットである、譲渡益非課税、配当金分配金非課税の恩恵を受けるよう、安定配当の上場株式や定期分配のETFを買って保有してみることをお勧めしますけどね。
ただ、せっかくのNISA口座での購入なのに、配当金の非課税の恩恵を受け損なっている人も多いようです。
今年で2年目に入るNISA(少額投資非課税制度)だが、なんとNISAで買った日本株の配当金について、税金が取られてしまっている人が相次いでいる。いったいその原因とはなにか。対応策とは?http://t.co/hcCH9tfZZu pic.twitter.com/NKTH6UquqR
— ザイ・オンライン (@zaionline) 2015, 1月 22
記事の通りです。簡単に言うと、証券会社の口座に配当金を受け取れるようにしておかないと、配当金の非課税の恩恵は受けられません。
そのためには、証券会社で配当金受領方式を、「株式数比例配分方式」に設定しないといけません。
なんでこんな仕組みなのかと言うと、保有銘柄がNISA口座で保有されているかどうかは、NISA口座を開いている証券会社しか把握していないから。
だから、一度証券会社が配当金を預かり、顧客の口座に反映するさいに証券会社が非課税処理をする必要があるってことなんでしょう。
もし、「配当金はあくまで銀行や郵便局で受け取りたい」という事情がある場合は、これまでどおりの配当金受け取りを継続し、非課税処理はあきらめるしかないでしょうね。もしかしたらそんな人もいると思います。が、自分では意図せず課税されてしまっていて、非課税にしたいなら、いますぐ証券会社で配当金受け取り方法を変更したほうがよいでしょう。
NISA2年目、課題と相場への影響は 市場の見方 :株式FOCUS :株式 :マーケット :日本経済新聞 http://t.co/6i70yKDzFi
— 日経QUICKニュース社(NQN) (@nqn_news) 2015, 1月 22
思ったほど使われていないNISA口座で、早くも制度延長に暗雲が垂れ込めた、と思います。とはいえ、まだ2年目ですし、来年からは枠の拡大やこどもNISA制度が始まる予定になってます。NISA口座の非課税の恩恵をとにかく周知して、もっと多くの人が使ってくれるようになることを祈ってます。
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