著者養成スクールの課題図書2冊と、ほか1冊
現在、ネクストサービス社の「ビジネス著者養成スクール」の第10期生が進行中です。
ネクストサービス:今後のセミナー開催情報
日程の3分の1が終了し、第10期生は現在、書籍企画書の雛形を埋めている最中です。
それを作った後、松尾氏や他の同期、私を含む先輩方の意見を聞いたうえで、さらに企画にブラッシュアップをかけていきます。
さて、今回、第10期の初日が1月31日だったのですが、松尾氏からその前日、突如、課題図書をできるだけ早く読むように、という通達がありました。私が参加した第9期にはなかった指示です。
課題図書は、以下の2冊です。
以下、私が読んだ感想です。
公式ページ:千田琢哉 次世代創造館
上記リンクによると、著作は101冊。累計部数は186万部とのこと。
そして、2013年11月刊の課題図書の中で、それまでの印税額が1億円を突破したことを打ち明けています。
とても夢のあるお話ですが、ここまで到達できる人は本当のプロ、一握りなのでしょう。
本書は、本気でプロの文筆家、著述業、著者になるための道程を、千田氏の実際の経験からこうするべき、と辿っている印象です。
不覚だったのは、これほどの著作を出していたはずの人なのに、私はいままで1冊も千田氏の本を読んでいなかった点です。(>_<)
自分はぜんぜん読書家じゃないんだなと、改めて思いました。とはいえ、書籍は年間8万アイテムも刊行されてます。その中でどの本を選ぶのかなんて本当に奇跡のめぐり合わせですし、本を読むのも時間が必要です。きっかけを作ってもらえた松尾氏に感謝しかないでしょう。
さて。
本書の中で、千田氏は次のように書いてます。
・プロフィールをしっかり作ろう
・作家の養成学校へ通うよりも実績を作ろう
・1冊分の原稿が仕上がったらそれを元に企画書と目次を作ろう
・出版社の一般募集へ応募しまくろう
・出版が決まるまでは、毎日ブログなどで次の原稿を書き溜めよう
・そして、出版が決まったら全力で重版がかかるよう、販促を考えよう
以上、1冊目を出すまでにやるべきこと、だそうです。
松尾氏のビジネス著者養成セミナーと重なっている部分もあり、反する部分もあります。
ちなみに、たしかに一般募集している出版者はけっこうあるようです。が、自費出版の募集とわかりにくい出版社があるので要注意です。費用負担を求められたらあきらめる、くらい割り切るべきかと。
そして、書き上げることに関しては、おそらく、見出し項目の見直しが入ればやり直しになるので、「1冊を書き上げた達成感」を得る以外の効用はないと、私は思います。
さて、千田氏の本ですが、既に100冊以上を出版している人が会得した、「一生涯、本を書き続けるために心がけたこと」に関しては、参考にしたいと思います。圧倒的なたくさんの文量を書く力、というのは、やっぱり必要なんでしょうね。
次に行きます。
正直言いますと、なぜこの本を課題図書にしたのか、意味がわかりません(>_<)
百田氏は、『永遠の0(ゼロ)』、『海賊とよばれた男』などの大ヒット作があり、昨年後半にはやしきたかじん氏の闘病生活を描いた『殉愛』が、いい意味でも悪い意味でも話題になりました。
私はもともと、FP関連書、投資関連書、ビジネス書と英語教材以外の本はめったに読まないので、百田氏の本もいっさい読んでいませんでした。
課題図書は、出版社、文芸界、商業出版に見せかけた、自費出版だと言われても仕方のない、著者負担のある出版の現実についてかなり突っ込んだフィクションとなっています。
書評をグーグル検索した限りでは、モデルになった出版社も特定されてるようです。そして、実際に倒産した会社も。
非常に参考になるフィクション、だと思います。元出版社勤務の経験があり、昨今は出版系セミナーに入り浸っている身としては、かなり納得感のあるストーリーです。ちなみに、自費出版で有名だった会社の倒産の経緯なども改めて検索で調べました。
読み終えて、冷静になって考えてみました。
私の身の回りにいる出版社は、丸栄社なのか狼煙舎なのか、または夏波書房か?
私は、本気出してないだけのフリーターなのか、それともプライドが異常に高い教育ママか元大学教授か?
ただこの本、さすがに「出版エージェント」が出てきません。著者と出版社の間に入る役割の人たち。
それにしても、「夢」のような形のないものを、牛川原はどんどん売っていきます。それができるのは、たしかに著者になりたいという一般人の心に付け込んでいるからでしょうが、それをするための下調べと原稿を読み込む力は、実はすごい人なんだろう、と感じます。たぶん、最後の1行、牛川原はおばあさんの原稿を本当に読んでるんだと思いますよ、私は。
さて、自分は、お金出して夢を買うべきなんですかね? Kindle出版もプリントオンデマンド出版も経験済みの身として、費用負担出版をするべきか? ただ、費用負担までせずとも、売上に貢献するにはかなり持ち出して広告を出すとか、本屋で自分の本を買うとか、そんな努力はしないといけないご時勢みたいです。
課題図書は以上の2冊でしたが、ついでにもう1冊紹介します。
現在絶版ですが、水野氏のメルマガによると、改訂版の刊行が予定されているとのこと。せっかくなので最新事情を反映したと思われる最新版を待ったほうがいいかもしれません。
ちなみに、水野氏と半年以上前に話をしたとき、手元にも見本書が残っていないそうで、そんな貴重な本なら中古で手に入れるのもありでしょう。
こちらも、ビジネス書を書くにあたり、著者は何を考え、どのように振る舞い、執筆すればいいのか、といったことが理解できます。特に、当時売れっ子だったビジネス系書籍著者の分析と解説がおもしろおかしく読めます。さすがは『ビジネス名著100冊のエッセンス』の著者でもあります。
水野氏も著者スクールを開催してますので、興味のある人は「水野俊哉出版セミナー」で検索してみてください。現在の私の立場では、直接リンクは貼れません(・_・;;
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