モーニングスターアワード受賞記念セミナーを見てきました
2015年3月21日春分の日、有楽町の東京国際フォーラムで行われた、
に参加してきました。
モーニングスター社のイベントへの参加は、今回で2回目です。今後も定期的に参加してみたいです。
モーニングスターアワード ファンド・オブ・ザ・イヤー 2014
基調講演、およびモデレーターはおなじみ朝倉智也社長。そして、各部門で最優秀ファンド賞、もしくは優秀ファンド賞を受賞した投信会社の方が登壇し、それそれ自社の商品を宣伝する、という構成でした。
日経平均が19500円を超え、世界各国の相場環境もまぁまぁいい状況でもあり、会場は超満員でした。
モーニングスターアワードは、その選出方法の過程のためでもありますが、おおよそアクティブファンドのための表彰制度になってます。上記リンク先の今回の選出ファンドを見ても、アクティブファンドのオンパレードになっています。
投資家としては、どうしてもアクティブファンドvsインデックスファンドの論争となり、「事前によいアクティブファンドを選ぶことはできない」という理屈のもと、インデックスファンドを中心にすえて運用する、いわゆるインデックス投資家の存在感が増してます。
朝倉氏も、インデックスファンドを上回る成績を収めるアクティブファンドが少ないことを認めています。しかし、モーニングスター社のファンド・オブ・ザ・イヤーを追いかけていれば、好成績が期待できるファンドを選ぶことができる、とも述べています。
たしかに、ファンド・オブ・ザ・イヤーの優秀賞以内に複数回選ばれるとか、モーニングスターレーティングによる★5つを長らく続けているファンドとか、それらを選べばいいのかもしれません。うまいファンドマネージャーは、長らく高パフォーマンスを発揮できている印象もあります。
アセットアロケーションの手法として、コア&サテライト戦略というのがありますが、コア、すなわち中心、メインの運用ではインデックスファンドを用いて、サテライト、すなわち周辺、サブの運用にアクティブファンドを使えばいい、という理論も理解できます。
せっかくいいファンドを選りすぐって紹介するので、もっと興味をもってね! というのが、セミナーの趣旨なのでしょう。
さて。
朝倉氏の基調講演の後は、各アセット別のセッションでした。簡単に紹介します。
【株式セッション】
株価は、基本的には企業の利益と連動している。日本株の上昇は、来年度の利益増の先取り。
そして、原油安の恩恵が、日本を含む各国に来ている。ただし、産油国にとってはマイナスの影響。
日本株では、「くじら買い」に注意。日銀、GPIF、ゆうちょ、かんぽなどが、合計15兆円も日本株を買う可能性。
ROE革命。増配、自社株買いなどで株主還元をする会社が増えている。ROEのグローバル化。ROEを高める政策的圧力。
【債券セッション】
はっきりいって今後は非常に難しい。
日本、欧州はまだ量的緩和中。
アメリカはいつ利上げするか? FRBイエレン議長とマーケットとの対話がうまく行くかどうか?
ソブリンでは金利が低すぎる。
高金利高格付けの社債、公益債券などに注目すべき。
【REITセッション】
REITは、USもJもずっと好調。これは、リーマンショックで叩かれて以降の安定基調。
原因は、そもそも空室率低下、質料上昇により収益力が高まっている。
債券と比較して利回りが高いことによる資金流入。
仕組みがわかりやすい(家賃収入が分配に回るなど)ことによる初心者需要。
しかも、今後も事務所の大量供給はなさそう。
金利上昇リスクは、しばらくの間REITには影響しない。
欧州はギリシャが心配だが、ギリシャ物件を持っているREITはほとんどない。
REITは今後も世界中に広がっていくので、全体的に資金流入が続く期待。
J-REITは特にNISAに最適。
【アロケーション型セッション】
貯蓄から投資へ、のスローガンが、やっと浸透するかもしれない。
アベノミクスによる好相場期待、円安期待、インフレ期待、NISAなど投資制度整備により、今度こそ投資する人が増える、か?
そのための受け皿として、アセットアロケーションが1本で実現できるタイプの投信が必要。
いわゆるバランス型のほか、アクティブかつダイナミックに各アセットの比率を変更してハイパフォーマンスを狙う。
今回のセミナーに関する話は以上です。
当然ですが、実際にはお金を出す投資家が自分で納得した上で投資して、その結果は自己責任になりますのでご注意ください。
今回の話を聞いてみて、自分も当初はアクティブファンドの保有がメインだったな、と思い出したりもしました。結果が出るならそれでも問題ないでしょうし、アクティブファンドでアセットアロケーションを組むのもありなのかもしれない、とも思いました。もちろん、購入手数料や信託報酬などを冷静に調べる必要があるのですが。
※当セミナーは、3月26日に同じ内容で大阪でも開催されるため、ブログ公開は3月27日にしました。
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