ネット活用投資リテラシーセミナーを受講しました
2015年3月19日、東京証券取引所とYahoo!ファイナンス主催による、個人投資家向けセミナーが開催されました。
「東証・Yahoo!ファイナンス ネット活用投資リテラシーセミナー」案内ページ(2015/03/20閲覧可能)
このセミナー、レオス・キャピタルワークスの藤野英人氏が、自身のフェイスブックにて宣伝されていて、しかもゲストに元衆議院議員の杉村太蔵氏がやってくるとのことで、両名に興味があったので参加申し込みをしてみました。
杉村氏、藤野氏、ともに書籍を出されています。特に、藤野氏の↓の本は、重版が繰り返されててかなり売れてる印象です。
セミナーですが、応募多数の場合は抽選で、とのことでしたので、当選するのか心配でした。無事に当選の知らせが来てよかったです。
実は、東京証券取引所に行くのは初めてでした。目の前は何度も通過してたのですが。
余談ですが、私は東京証券取引所よりも前に、いち早くニューヨーク証券取引所の内部に入ってます。
当ブログ:渡米を振り返る(後編)
そのときの入館手続きは、まぁ大変でした。顔写真を取られたり指紋を取られたり。テロ対策とはいえ本当に面倒なものでした。当時も、入国手続きをもう一度やり直すかのようだ、と、書いてます。
東証の入館は、ニューヨークのそれとは比較にならないほど簡単でした。それでも、周りはガードマンが多数。金属探知機のゲートをくぐる、手荷物検査をするなど、それなりに手間がかかるものでした。
さて。
本人許可済み。杉村太蔵氏、講演なう。 pic.twitter.com/s6Vskoka9G
— 松本勝晴(FPブロガー) (@k_matsumoto) 2015, 3月 19
セミナーの内容ですが、本当に投資初心者向けで、これまでほとんど投資に触れていない人向けに、投資を始めてみよう、という啓蒙的な内容でした。
投資には、愛と勇気と少しの知識が必要。そして、その知識を得るためにYahoo!ファイナンスを使ってね、とのことです。
全体的には、自分としてはすでに必要ない内容だったな、と感じました。が、たしかに自分から他の人に投資を勧めるにあたって、どこまで話を簡単にするべきか、レベルを下げるべきか、みたいな視点で聞くのは参考になりました。
第1部は、杉村太蔵氏の講演でした。
約30分、杉村氏本人がどのような心構えで株式投資をしているか、というお話でした。ちなみに、「愛と勇気と少しの知識」というのは、杉村氏の言葉です。
買ったら下がる。売ったら上がる。これは良くあること。取れなかった利益を悔やむより、取れた利益をほめられる人のほうが、株式投資はうまく行く。
10年後、使われている商品を思い描いてみる。FAXは使われているか? 携帯電話はどうか? 人は頭を洗っているか? 紙おむつの需要はどうか? そして、自分の相場観をもとに、実際に商品を使ってみる。会社を知り、商品を知る。自分がよいと思えた商品の会社が、株を買うべき会社だ。
(杉村氏の言葉の要約)
杉村氏、あなたはピーター・リンチか? と思わされるような講演でした。
第2部は、藤野英人氏の講演でした。余談ですが、声が想像とまったく異なる柔らかい印象でした。
プレゼン資料が手元に配られていましたが、本来なら1時間半かけて話す内容を、駆け足30分で話したそうです。
全体的には、次のメッセージに集約されます。
株式投資をすることは、 おしゃれで、
知的で、
かっこいい、
社会貢献です!!
(プレゼン資料より)
藤野氏は、中小型株の中から成長する会社を発掘するのを得意とする方です。藤野氏が明治大学の学生の指導を続けているうちに感じ始めた問題点は、以下の通りです。
・多くの学生は、経済学部でもない限り経済の勉強をしない。・学生によるファイナンスのイメージは、8割がダーティ
・学生によるベンチャー経営者のイメージは、8割がブラック
・そもそも、学生は労働が嫌い > 会社が嫌い > 株式が嫌い
・つまり学生は、会社が嫌いで、経済知識が乏しい。
・会社嫌い、経済知識不足を正さなければならない。
(プレゼン資料の抜粋・要約)
株式投資に興味が沸かないのは、単に知識不足である点は同感で、経済の勉強が必要だという点までは予測できましたが、そもそも労働が嫌いで、会社が嫌いだから、株主として応援できない。こういう視点はありませんでした。
ほとんどの人が株式会社に勤めることになるのに、実は会社が嫌い、というのは、確かに問題です。
さて、会社嫌いを克服し、株式投資をしてみようという段階で、では、どんな会社を選べばいいのかについては、藤野氏はかなり楽観的です。
ITバブル崩壊後の2002年12月~アベノミクス相場開始直後の2012年12月の、10年間のTOPIXのパフォーマンスは、たったの2%だそうです。(正確には終値ベースで、843.29→859.80なので、+1.96%)
その間、2002年12月に上場していた企業のうち、10年間で株価が上昇した企業は何%か?
これは、約70%、1705社だそうです。
もっとも、これらは生存者バイアスも考慮しなければならないのですが。それにしても、10年間生き残った会社のうち、3分の2以上の会社は、株価が上がっているわけです。
では、どんな会社ならいいのか、というのが藤野氏の真骨頂だと思いますので、ここはさらっと流します。大雑把には、
・中小型株・若い会社
・カタカナ社名
・社長が若い
(プレゼン資料の抜粋・要約)
あたりとのことです。
第3部は、杉村氏、藤野氏を含む、計5名によるトークセッションでした。
東証の方はETFやJ-REITを、Yahoo!ファイナンスの方は物事検索を、YJFXの方はFXを、それぞれアピールしていました。
ここで、印象的だった発言をさらっと紹介します。
「最後は神頼み(杉村)」「過去に投資できない(藤野)」
「コア&サテライト戦略うんぬん(東証)」←「わかんねーよ。何が通常で何が特別なんだよ(杉村)」
「今の政策、金持ち優遇は誤り。株持ち(株主)優遇。預貯金やタンス預金を奪いに行ってる。(藤野)」
「15年ぶりの高値で、今のマーケットは正直怖い(藤野)」
「あのファナックが、任天堂が、株主に向き合い始めた。すごく感慨深い(藤野)」
「少額で、少しずつ買いましょう(杉村)」
以上のような、あっという間のトータル2時間超えでした。
それにしても、杉村太蔵氏がけっこうな資産家であり、株式投資についてもわかりやすい話をされている点がとても新鮮でした。そして、一番意外だったのは藤野英人氏のソフトな語り口でした。
またいつか、それぞれ講演会を聞いてみたいです。
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