株式売買はたしかに己との戦い、だけどもう少しノウハウ知りたい
とあるご縁により、下記の本を読みました。
冨田晃右:著 「ここが違った! 株で稼ぐ人、損する人」 2015年、集英社
英語の大学テキストを勉強したり、哲学系の読み物ばかり読む生活になりつつありますが、たまにはこのようなものを読むのもいいですね。
この本は、トレーダー(投機家)として稼ぐことをめざす本です。
稼ぐとは、生計を立てられるくらい、定期的に利益をあげる、という意味だそうです。
そして、そのためには、本人の気持ちの持ちようを鍛えることと、チャート分析ができるようになることが重要だと述べてます。
それにしても、株の本で、ここまで精神論にページを割いている本を読むのは、なかなかないかも、と思いました。
いくつか、気になるところをピックアップしてみます。
「トレードを行う際には、人脈は必要ありません。」(p.92)
とても同意します。ある程度、自分の稼ぎ方を確立したら、人と話し合う必要はありません。
「39週移動平均線を使ってみよう」(p.186)
「39週を選んだ理由は、週足チャートでは39週のものがポピュラーだからです。」(p.188)
いや、これには同意できません。むしろ著者のオリジナルでしょう(・_・;;; この著者以外で、39週移動平均線を取り上げた本は記憶にないです。念のため”39週移動平均線”でグーグル検索したらちょっとは結果が表示されますけれども。
ちなみに、私自身が週足見るときは、13週、26週、52週の各移動平均線を使います。
そのほか、全体的に、精神論、株式売買へ取り組む際にどのような考え方をすればいいのか、という点がページの大半を占めてます。これは大切な話で、ここに書かれていることが理解できていないと、なかなかトレードで稼げるようにはならないだろう、とは思います。
ですが、では、どうすればいいのか、本書はそこがわかりにくい気がします。
チャートによるテクニカル分析がトレーダーの武器であるならば、その部分をもっと詳しく書いてもよかったのではないか、と思いました。
平均線ならグランピルの法則や乖離率の話。チャートの形が重要なら酒田五法や陽線陰線パターン解説。ローソク足の傾向を語るならトレンドラインやレジスタンスライン、バンドチャートや三角持ち合いの話。そのほか、一目均衡表やボリンジャーバンド、各種オシレータの話などなど。
そして、逆指値注文が大切だとしても、では本当に指値、成行注文を説明しなくてもよかったのか? 出来高はまったく見なくていいのか?
大切で肝心なことは書かれているけど、基礎として必要な部分が抜けているかも、という印象になりました。
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